住まいの Q & A  
欠陥の調査方法
Q 瑕疵や欠陥について調査する場合、どのような方法があるのでしょうか?
A 鉄筋コンクリート造・木造・鉄骨造といった建物の構造や工法などによって
瑕疵・欠陥の現象や原因に特徴があります。
 また外壁のひび割れや仕上材の損傷などのように目に見える瑕疵や、
床のきしみや家の傾きなどのように体感上感じるが、原因が外部からは目視できないもの、
さらに鉄筋かぶり深さや中性化進行などの躯体内部に隠れた欠陥など、
様々な瑕疵があります。

 調査の方法は、下記のとおりです。

  (1)建物概要調査

  (2)外観目視調査

  (3)詳細調査


原因の追及のために状況に応じた調査を行なう事が必要となります。

〈 調査方法 〉

 (1)建物概要調査

    瑕疵・欠陥の原因を推定するための情報の収集や資料にするための
    調査です。

   調査内容

    ・瑕疵や欠陥の状況や不具合等の聞取り調査

    ・設計図や施工図・施工記録などの書類調査

 (2)外観目視調査

     外観目視調査は、外壁や基礎・躯体などに現れている瑕疵・欠陥の
     現象や種類を、目視を中心に調べて、原因別におこる特徴的な症状
     を見極めていく調査です。
     目視調査の結果は、平面図や立面図に記録して必要に応じて写真
     撮影を行ない、欠陥の状況や傾向などを把握します。

    調査内容

     ・建物内外部・仕上・基礎等の目視可能な範囲で目視点検
     ・RC造の建物で複数階になると、ゴンドラや高所作業車を用いての
      目視及び打診調査
     ・天井点検口等から天井裏や壁面・床下を目視調査
     ・場合により仕上材の一部を撤去して下地や躯体の状況を調査
     ・メジャーやクラックスケール等のひび割れ等の幅や長さの測定
     ・下げ振りを用いて垂直高さ1mに対し、何oの傾斜があるかを計測
     ・レベル・トランシット等の測量機器を用いて高低差や水平・垂直の
      状況を計測

 (3)詳細調査

     建物概要調査や外観目視調査の結果、瑕疵・欠陥の原因が、
     躯体性能や鉄筋かぶり厚さの不足・配筋の不良・中性化の進行など
     躯体そのものに係わると推定された場合は、
     原因を特定するために更なる詳細な調査を行ないます。

    調査内容

     a) 「JIS A 1107」によるコンクリート強度試験

       躯体から径100oφ程度のコア抜きを行ない、サンプルとして
       試験場において圧縮強度試験機にかけて
       強度を測定する方法。

     b)鉄筋探査

      ・鉄筋探査機による鉄筋探査
       鉄筋のかぶり厚さや鉄筋ピッチまたは鉄筋径の測定を行なう検査
       で、電磁波レーダー法や電磁誘導法を利用した各種の
       鉄筋探査機がある。

      ・X線による測定法
       X線(レントゲン)を躯体に透写して躯体内部をX線撮影する方法で
       鉄筋のピッチや形状などが陰影となって撮影される。

      ・コンクリートはつり調査

        コンクリートをはつり、鉄筋等を露出させて直接配筋状況や鉄筋
        の腐食状況を目視及び計測する方法。

    c)中性化測定

      ・小径コア法

        50o以下の小さなコアをコンクリートより採取して二つに割裂し、
        フェノールフタレイン溶液を割裂面に噴霧し、コンクリート表面から
        赤紫色に変色した部分までをノギス等を用いて測定する方法。



   
上記以外にも、隣家の音がうるさい時の騒音調査や建物の揺れなど
   には振動調査など、目的に応じた測定方法や検査方法があり、
   瑕疵や欠陥の種別・状況に合わせて調査内容を選定していくことが
   必要となります。
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