コンクリートのひび割れ等 |
Q | 新築間もない鉄筋コンクリート造の建物ですが、コンクリート表面にひび割れが多くみられます。 建物の耐久性は大丈夫でしょうか? |
A | コンクリートの耐久性を決める要因の一つに「中性化」があります。 鉄筋コンクリートは引張力に弱いコンクリートの内部に鉄筋を組み合わせることで成り立っています。 また、打設当初のコンクリートはアルカリ性なので、鉄筋の腐食を防ぐ役割ももっています。 しかし経年とともに空気中の炭酸ガス等と反応してコンクリートは中性化していき、コンクリート内部の 鉄筋は腐食して、錆びていきます。 錆びた鉄筋は、膨張してコンクリートを剥離・爆裂させてしまいます。 コンクリートのひび割れ等は、浸水や漏水を助長させるばかりか、コンクリートの「中性化」を促進させていく大きな要因です。 日本建築学会では、ひび割れ幅0.3oを超えないように制限することを目標として、ひび割れ対策の指針を出版・発表しています。 コンクリート強度や耐久性に影響を与える過大なひび割れは、重大な欠陥といえます。 コンクリートのひび割れ等の原因には、不同沈下やコンクリート強度不足・地震等の外的要因によるもの、 乾燥収縮や骨材の塩化物混入等の材料的性質によるもの、不均一な打込や鉄筋かぶり深さ不足・打設後の温度管理の不備等の施工に関するものなど、様々な原因・要因が考えられます。 そのため、十分な調査を行ない、ひび割れ等の欠陥原因をはっきりさせることが必要です。 調査方法には、外壁面にゴンドラや高所作業車などを用いての目視調査や検査用コアを採取して強度や塩分測定などの詳細調査及び鉄筋探査機を使用しての鉄筋かぶり厚さ調査など様々な方法がありますので、目的に合わせた調査内容の検討が必要となります。 調査結果に基づいて欠陥の判定になりますが、判断基準は下記に示すことが考えられます。 ・建築基準法施工令第71〜79条 鉄筋コンクリート造の材料や鉄筋のかぶり厚さなどの構造に関する法令 ・日本建築学会編 「建築工事標準仕様書 JASS5コンクリート工事」 ・日本建築学会編 「鉄筋コンクリート造のひび割れ対策指針・同解説」 ・その他標準的技術基準 |
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